雪の東京とアレックス

東京に雪が降った。
4月生まれのアレックスはさぞかし雪に喜ぶだろうと、早起きして雪の中を散歩した。

さすがに生まれて初めての雪は興奮したようで、
雪を食べたり、はしゃいでジャンプしたり、降ってくる雪の粒を食べようと不思議な喜びの舞をしたりとか。


犬にとってはすべての出来事や物事は「遊び」である。
人間のように仕事や作業は存在しない。
だからすべての事は楽しくてやっている。
楽しくない事はやらない。
アレックスにとってはこの雪も天がもたらした楽しいいたずらなのだ。


僕は雪国の生まれである。
確かに子供の頃、雪は遊びの道具だった。
スキーしたりそりしたり。


しかし年齢を重ねるごとに、いつしか、遊びでない部分、
車の雪を下ろさねばならなかったりとか、通学に不便だとか、そういった遊びでは無い部分が増えてきた。
いつしか雪は嫌いになり、東京に出てきて、雪とはあまり関係がなくなって、
今でも雪はあまり好きではない。
雪国の人に取っては、今年の豪雪が見せたように、雪は現実に多いかぶさる大きな問題にもなりうる。


しかし、久しぶりにアレックスと雪の中を出かけてみて、
少し、雪が遊びだった頃の自分を思い出したような気がする。
そんな東京の雪でした。