Edan::Beauty and The Beat

Beauty & The Beat

Beauty & The Beat

はじめタワーレコードで視聴して即買したCDで、その後ここ数日の僕のipodヘビーローテーションになっている。
おそらくこれは早くも僕の今年のベストアルバムの中の一つに入るであろう。
タワーの説明文にもあったのだが、「HipHopとサイケの融合」とかいったかかれ方がしている。確かに最初頭の数曲をかいつまんだ感じではそういうような感じがしたのだが、良く聞き込んでいくとコアは別の所にあるような気がする。


とにかくバックトラックにサンプリングが多用されており、全面的にサンプリングのコラージュのようになっている。そこに使われているネタが非常に幅広いために、一瞬サイケ時代のアバンギャルド手法に近いような錯覚になるのだ。
また、エフェクト類に非常に効果的なエコーやリバーブが使われており、その効果がスペーシーさを醸し出し、結果としてトリップしている感覚におおわれる。しかし、それも良く考えると、EdanのようなDJやリミキシングのオタクからすれば、伝統的なダブの手法がそのルーツであることがはっきりと私にはわかる。


僕がこの、多用されるサンプリングのバックトラック、ダブ手法とともに強く感じたのは、HipHopオールドスクールに対する深いオマージュと愛情である。
特にInsightらと掛け合うラップの鋭い刃は現在はやりのHipHopのそれではなくオールドスクールの時代のストリートを感じさせるものである。
また、センスのあるチョイスのサンプリングのバックトラックがそれを盛り上げ、引き立てていくようにトラックが進む。そういえば最近のHipHopの売線は、著作権の問題もあるのだろうが、DJのすばらしいサンプリング技を使わなくなってきたね。どちらかと言うと、R&B系のスタンダードなトラックにのせてラップする感じになってきている。


そういった意味で、僕がこのアルバムから感じたのは、オールドスクールから正統に進化してきたHipHopのある一つの形である。現在主流とは確実に異なるのだが、明らかにこのアルバムは正統なのだ。


とにかく聞いてみて欲しい。特にアルバム最終のチューンなんかすごい良い掛け合いのラップをやっているから。


僕が最後のチューンといっているのはどうやらボーナストラックらしいです。僕が買ったのは日本語の訳詩が入っているやつです。