50centの「The Massacre」を聞いて

Massacre

Massacre

全体的には、前作よりかなり洗練されたという感じ。


前作では、どちらかというと、アルバム全体的に一本調子な感じでいわば直球であった。だが、その分、50centの持つ暴力性、破壊性が素直な形で出ていた。トラックも明るくはじけることはなく、ただひたすら、重く硬質にリズムを刻んでいく。50centのライムも淡々となればなるほど逆に暴力的で、さらにそれがはじけたときとの落差が大きかった。私個人としては、モッサリ系であまり好きなほうでななかったのだが、なんと言うか、男の世界というか、荒涼とした雰囲気というか、浮いた女の子の話が一切出てこない感じがあった。


それと比べると近作は、曲目に応じていろいろトラックにもバリエーションが出ている。相変わらずモッサリ系の50centのライムも比較的軽やかに感じる。ユーモアの感じられる曲やちょっと浮ついたパーティーチューン系の歌なんかも入っているようだ。ライムのやり方もいろいろ変えているように感じる。良い意味で慣れて大人になったのか?


野球でもそうだけど、一年目に大成功した投手は直球豪腕派。それが二年目にどう戦うかを考えたときに、素直にアドバイスに従い、変化球を覚えて言ったというイメージに似ているようだ。


50centが今後どのようになっていくのかはわからない。
しかし、彼が淡々とラップするときの逆に感じさせる暴力性は一緒のままで、それは作品の各所に出ていると思う。


しかし、「The Game」もそうだったけど、このレーベルの仲間らはジャケットやロゴのセンスが悪いね〜〜。というか、俺の価値観と受け入れない。50centの場合2作続けてムキムキの上半身だもんね。ジャケ写の中を見てもほとんどの写真で銃持ってるし。。。何というか。。。